ビジョン
「21世紀都市・仙台」 確かな発展に向けての基本政策

基本は、概ね10年以内に、下記政策を中心としたものである。

1.  実現可能な政策
2.  着手できる政策
3  目途をつけられる政策

1、市政に取り組む基本認識
21世紀の初頭は、新たな世紀の基礎をつくる重要な時期であり、文字通り新しい時代を創造する大切な時期でもある。同時に人間と環境の調和が求められ、少子高齢化、情報化、国際化が一層進展するとともに、一方で今後とも厳しい経済情勢が予想されるなど、市政運営に当たって困難な舵取りが迫られる時期でもある。
  したがって行政当局は、従来の発想を転換し、これまでのしがらみや経緯にとらわれることなく、政策の優先順位を明らかにし、地域経済の活性化など必要な政策を積極的に推進していくべきである。また、徹底した行財改革を促進するとともに、行政の限界と守備範囲を明確にした上で、NPOや市民ボランティアまた企業など、民間活力を主体に市民と協働して市政を進める必要がある。
  さらに政策の策定に当たっては、可能な限り情報公開や市民参画型の政策づくりにも努力していく。同時に市民も、すべての行政に依存することなく、これまで以上に自助、共助の努力を進めることが求められている。
  なお、本格的な地方分権時代の到来を迎え、これまで以上に各自治体の独自の政策能力が問われることになる。今後予想される都市間競争の激化に対し、本市としての政策能力を一層向上させることが必要である。
  私たちは今後、市民の安心・安全のまちづくりを基本に、前向きに市政に取り組んでいくものである。
2、基本政策
(1)行財政改革の断行
社会経済情勢の変化に対応し、いわゆる支店経済に依存してきた本市の経済体質の転換と地域経済の活性化をはかり、雇用の確保と拡大に努める。
  1. 地域経済の活性化のため、全市的な視点に立って、地域経済活性化計画を着実に推進する。

  2. 国際知的産業特区などの認定を踏まえ、知的クラスター創成事業など主要戦略プロジェクトの具体化と、波及する産業の仙台への定着をはかる。

  3. 地元中小企業への支援をはじめ、さまざまな分野での起業化やベンチャー企業の育成などに努める。そのため、製品化や販路開拓への行政的支援、税制の優遇や融資制度、保証制度などの一層の充実を進める。また、地元金融機関に一層の理解と協力を求めていく。

  4. 観光事業、特に「ビジターズ・ビジネス」を今後の本市の重要産業と位置づけ、実施計画を着実に推進する。そのため、(a)都市としての魅力の向上、(b)仙台城址を含む青葉山とその周辺地区の再整備、(c)市民企画型観光イベントへの行政的支援の強化、(d)フィルムコミッションの充実、(e)観光資源の再開発、などを積極的に推進しシティセールスに努める。

  5. シティセールスの一環として、自動車の「仙台ナンバー」の早期実現を目指す。

  6. 国際化推進のため、他都市とも協力して海外事務所の開設に努めるとともに、仙台港、仙台空港のセールス活動を強化する。仙台港については、県との共同管理を求める。また、東北各地の空港と調整を図りつつ、タイとの定期航空路の開設や休止路線の復活などに努力する。

  7. 本市農業を活性化するため、認定農業家制度の拡充、法人による都市型農業の振興、「地産地消」の推進などに取り組む。
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(2)活力ある産業政策の展開
すべての市民が安心・安全で快適な都市生活を送れるよう、危機管理の視点も踏まえて、最大限の努力を進める。
  1. 災害に強いまちづくりのため、(a)地域防災力の向上、(b)地域や職場での防災訓練の実施や避難場所の再チェック、(c)防御困難地域の改善や防火水槽・防災資機材の整備、(d)災害時の情報網の充実、などに努める。特に想定される宮城県沖地震に対処するため、耐震調査の促進と木造住宅耐震改修工事助成制度を充実する。また、雨水調整池の整備促進など水害対策を強化するとともに、非難体制の確立など津波対策の充実に努める。

  2. 犯罪の防止に向け、県警の市警察部や関係諸団体との連携強化、また市民との協力などにより、防犯体制の確立を進める。

  3. 医療機関との連携強化によるメディカルコントロールの推進など、災害時医療も見据えた質の高い救急医療体制を確立する。

  4. 介護保険の運営は、18年度からの制度改正に向け、保険運営上の本市の課題を明らかにした上で、万全の準備を進める。施設と在宅という二分化したサービスだけでなく、その中間的機能をもった介護拠点を小学校区ごとに整備していく。また特養ホームなど施設系の整備は、ターミナルケアとリハビリ機能を重視したものにしていく。

  5. 新たな高齢者世代のニーズに対応できる高齢者施策への転換と、健康づくり、介護予防策の充実、社会参加の機会づくりなどを進める。また高齢者世帯の住宅改修など、生活支援・自立支援制度の充実をはかる。

  6. 道路や公共施設、公共交通機関をはじめ、一層のバリアフリー化を推進する。また、障害者が地域で自立して生活できるよう、グループホームや小規模作業所の増設に努める。

  7. 「食の安全」を確保するため、立入検査などにより表示内容や不良食品のチェックを強化するとともに、国、県、関係機関と協力し、「生産者が見える食品」の流通を実現する。

  8. アクセス30分構想の実現に向け、都市計画道路や幹線道路の整備を、優先順位を踏まえて積極的に推進する。また、可能なところでは、自転車道の設定を進める。さらに、パークアイランドなどを一層拡充するため、JR及び地下鉄の駅前整備や駐車場の確保を促進するとともに、これに対応したバス路線の再編と集約化を進める。
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(3)「環境先進都市仙台」の実現
全国のどの都市よりも環境問題を重視し、市民と人間と環境が調和・共存する「環境先進都市仙台」の実現をめざす。
  1. 「環境先進都市仙台」の実現に向け、全市民への一層の啓発活動や、高校・大学も含めた全ての学校において環境教育の徹底をはかる。また「みちのくEMS」の企業取得をさらに促進する。

  2. 循環型社会の実現へ向け、事業系ゴミを含めゴミの分別収集やリサイクルをさらに徹底し、減量化を促進して焼却量をできる限り削減する。

  3. 稼動中の清掃工場の安全運転に努めるとともに、廃止された清掃工場の管理や撤去についての方針を速やかに確立する。

  4. 不法投棄を防止するため、パトロール体制を充実・強化する。

  5. 百年の杜構想を積極的に推進し、緑の保全と新たな創造を進める。また水辺の環境保全と浄化について目標を定め、その実現に努めるとともに、県からの河川管理の委譲を促進する。さらに、中水道利用の研究を進める。
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(4)安心・安全のまちづくり
「学都仙台」の伝統を踏まえ、新しい時代を担う人材を育てていくため、教育・文化・スポーツの一層の振興に努める。
  1. 学校教育だけでなく、家庭や地域の教育力の向上に向け、行政当局と関係諸団体との協力体制の一層の緊密化を進める。

  2. 小中学校におけるいじめや不登校、学級崩壊などに対処するため、教師の再教育制度の充実、スクールカウンセラーの増強、民間からの校長や教師の登用などに努める。また、地域や市民に開かれた学校づくりを進めるため、余裕教室の多面的な活用など、学校の開放をさらに推進し、学校と地域住民の交流を活性化する。

  3. 学童を含む保育サービス体制の拡充や、身近なところでの子育て情報の提供と交流、相談窓口の拡大など、ソフト・ハード両面での子育て支援策を積極的に推進し、余裕を持って子育てできる環境を速やかに整備する。

  4. 市民の多様な文化活動のさらなる振興に加え、世界的レベルの文化や芸術を享受できる機会を拡大するため、仙台市芸術協会の設立をはじめ、必要な体制づくりを進める。

  5. 国際的スポーツイベントの定期的開催に向けた環境整備を進めるとともに、市民ボランティアによる運営体制を確立する。また、仙台を本拠地とするプロ野球チームの設立については、本市としても県や市民とも協力しながら、その実現に全力を尽くす。
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(5)大型プロジェクトの再構築
今日の厳しい財政状態を踏まえ、効率的な市政を進めるため、「民間にできる事業は民間に任せる」ことを基本に、思い切った行財政改革を促進する。
  1. 退職者の一部不補充などによる職員定数の一層の削減。(職員一人あたりの人口100人以上を目標。現在、市長部局5,069人、企業2,899人、その他2,540人、合計10,508人。)

  2. 退職手当や各種手当制度の一層の見直しと、適正な人事評価制度の実施。

  3. 土木関係部門(都市整備、建設)や総務部門(総務、企画)の統合と再編、行政サービスセンターにとらわれない、市民センターなどを中心とした効率的な行政サービスの展開。

  4. ガス事業の民営化に向けての具体的準備の開始。

  5. 指定管理者制度を含めた民間委託の一層の拡大。

  6. 外郭団体の整理統合と定員の削減、及び委託のあり方の見直し。三年間の天下り禁止と、外部からの管理職の採用拡大及びプロパー職員の育成。

  7. 効率的な予算執行を進めるため、より実践的な評価システムの構築と、予算の編成や執行に対する職員の意識改革の推進。

  8. 電子市役所の実現に向け、高度情報機能の集積による市民サービスの向上、及び徹底した業務の見直しと効率化。

  9. 土地開発公社の遊休地を含め、不用資産の処分促進に向けた制度の見直し。

  10. 区役所への権限委譲の促進、区ごとの個性あるまちづくりの推進。
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(4)安心・安全のまちづくり
社会経済情勢の変化や今日の財政状態などを踏まえ、現在進行中の大型プロジェクトの再構築を進める。
  1. 地下鉄東西線については、仙台市の計画を基本とし、住民の意向を踏まえた予定駅周辺や沿線まちづくりの促進、バス結節の確保、また工事費や運行経費の一層の節減などにより、採算性の向上を図るとともに早期着工に努める。

  2. 長町副都心については「あすと長町」プランや計画の縮小を踏まえ、(a)事業採算性の一層の改善を進める。(b)この地区が果たすべき機能や役割をさらに現実的なものにするなど、ソフト面での街づくりを先行させる、(c)高齢者住宅エリアを含め、住居系エリアを拡大する、(d)音楽堂の建設は白紙に戻し、新たな集客施設を建設する。

  3. 仙台港背後地の区画整理については、住居、イベント、スポーツ関係エリアを拡大する。またこの地区が果たすべき機能について県と再調整を行うとともに、センター地区の先行的な整備を進める。

  4. 市役所本庁舎と市立病院の建て替えについては、将来に向けた本市の都市づくりに十分配慮した位置と規模のものとしていく。